2017年6月16日、日本小児アレルギー学会が卵アレルギーの予防に生後6か月からごく少量の鶏卵を摂取することで予防になると「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」を医療関係者向けに発表しました。
今まで市の離乳食教室や本などで知っていた情報とは全然違うものだったのでとても驚き戸惑いましたがニュースで何か他ごとをやりながらではなくしっかりと見ないと間違った情報になりかねないのでここで書かせていただきます。
アトピー性皮膚炎の子どもが対象
アトピー性皮膚炎に羅漢している子どもは鶏卵の摂取が遅いほど鶏卵アレルギーを発症するリスクが高まるというエビデンスに基づき鶏卵アレルギー発症を目的として医師管理のもと、生後6か月から鶏卵の微量摂取を開始することを推奨する。
鶏卵アレルギー発症予防に関する提言
ここで重要なのは医師管理のもとと言うことです。
独断でやらないということが大事です。
鶏卵の微量摂取とありますがどれくらいの量かと言いますとゆで卵100分の1の量、グラムにしてわずか0.2gです。それを毎日摂取です。
家庭用のスケールで計れる量では決してないです。
研究で使用されていたのは加熱全卵粉末を使用していました。
とてもじゃないけど家であげる離乳食の話ではないと感じました。
既に鶏卵アレルギーの子どもには危険
発症予防のためであり、既に鶏卵アレルギーの発症が疑われる乳児に安易に鶏卵摂取を促すことは極めて危険であるとも記されています。
鶏卵アレルギーを診断されている人は今後もどうするか医師と相談して鶏卵の摂取に関しては慎重に進めて行ってください。
離乳食の進め方に関して今後また変わってくるかもしれません
私が離乳食を与え始めた2013年の頃はアレルギー発症リスクを抑えるためにもあまり早くに離乳食を開始しないほうが良いとされていました。
しかし今回のこの鶏卵アレルギーの発症予防に対してみてもそうですし、2015年に発表されたピーナッツアレルギー発症予防に関する比較試験でも乳児の離乳時期においては遅くよりもむしろ早くピーナッツを摂取するほうが有益あるとされています。
日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会が発行した「食物アレルギー診療ガイドライン2012,2016」にも食物アレルギーの発症予防のために特定の食物の開始時期を遅らせることは発症リスクを低下させることにはつながらず推奨しないと記されています。
私の見解
こうした背景からこれからいろんな研究が進む中で離乳食の進め方が変わっていってその変化に戸惑ってしまう人もいるかもしれません。
また変わってくるかもしれませんが今までどおり5~6か月で離乳食はスタートして卵などアレルギーの心配のある食物もアレルギー発症リスクを下げるために早くスタートさせたり遅らせたりするのではなく段階を踏んで様子を見て進めて行くやり方で良いと思います。
たくさんの研究をしてより正確で確かな情報を提供してくれることでアレルギーの発症を抑えられたら嬉しいですね。